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歯列矯正の痛みはいつまで?リアルな矯正生活の乗り越え方
歯列矯正をしたいけれど、一歩踏み出せない理由。その多くは「痛み」や「不便さ」への不安ではないでしょうか。「治療中はずっと痛いの?」「好きなものが食べられなくなるって本当?」そんな未知の矯正生活に対する恐怖心を、少しでも和らげることができたら、あなたの決心はより固まるはずです。まず、多くの人が心配する「矯正痛」について。残念ながら、痛みはあります。しかし、それは四六時中続くわけではありません。痛みのピークは、主に装置を初めてつけた時と、月に一度の調整(ワイヤーを締め直す)の後、2〜3日間です。これは、歯が動こうとする際に、歯の根の周りの組織が圧迫されて炎症を起こすために生じる、いわば「成長痛」のようなもの。ズーンと響くような、歯が浮くような鈍い痛みが特徴です。この痛みを乗り越えるコツは、我慢しないこと。痛みが強ければ、ためらわずにクリニックで処方された痛み止めを飲みましょう。また、この期間は食事も工夫が必要です。おかゆやスープ、ヨーグルト、豆腐など、あまり噛まなくても食べられる柔らかいものを用意しておくと安心です。次に、食事の悩みです。ワイヤー矯正の場合、粘着性の高いお餅やキャラメル、硬いおせんべいなどは、装置が外れたり壊れたりする原因になるため避ける必要があります。また、ほうれん草やえのきといった繊維質の野菜は、驚くほど装置に絡みつきます。外食の際は、メニュー選びに少し気を使うことになるでしょう。そして、地味に辛いのが「口内炎」です。特に治療初期は、ブラケットやワイヤーの端が頬や舌の粘膜に当たって、繰り返し口内炎ができてしまうことがあります。そんな時の救世主が「矯正用ワックス」です。これは粘土のようなもので、当たる部分の装置に貼り付けることで粘膜を保護してくれます。矯正生活は、正直に言って、快適とは言えないかもしれません。でも、これらの痛みや不便さは、必ず終わりが来ます。そして、ほとんどの困難は、ちょっとした工夫で乗り越えることができます。その先にある、何物にも代えがたい美しい笑顔を想像することが、長い矯正生活を支える一番の力になるのです。