昨日までは何ともなかったのに、今日になって急に歯の噛み合わせに違和感を覚える。そんな経験をすると、誰しも不安になるものです。食べ物が噛みにくかったり、特定の歯だけが強く当たる感じがしたり、あるいは顎がカクカク鳴ったりと、症状は様々です。急な噛み合わせの違和感には、いくつかの原因が考えられます。まず、最も一般的なのは、親知らずの問題です。親知らずが斜めに生えてきたり、炎症を起こしたりすると、隣の歯を押して全体の噛み合わせに影響を与えることがあります。特に下の親知らずが原因で、手前の奥歯が押されて前歯の噛み合わせまで変化することがあります。次に、歯ぎしりや食いしばりも大きな原因の一つです。睡眠中や日中の無意識の強い力によって、特定の歯に過度な負担がかかり、歯がわずかに動いたり、歯の周りの組織が炎症を起こしたりして、噛み合わせの違和感として感じられることがあります。また、虫歯や歯周病が進行し、歯の位置が微妙に変化したり、歯が浮いたような感じになったりすることも原因となり得ます。詰め物や被せ物が取れたり、欠けたり、あるいは高さが合わなくなったりした場合も、急に噛み合わせがおかしくなったと感じるでしょう。稀なケースとしては、顎関節症の症状として噛み合わせの違和感が現れることもあります。顎の関節円板というクッションの役割をする組織がずれたりすると、顎の動きが悪くなったり、痛みが出たりするとともに、噛み合わせが変わったように感じることがあります。さらに、ストレスや疲労が蓄積すると、顎周りの筋肉が緊張し、それが噛み合わせの感覚に影響を与えることも否定できません。いずれにしても、急な噛み合わせの違和感は、身体からの何らかのサインである可能性が高いです。自己判断せずに、早めに歯科医院を受診し、原因を特定してもらうことが大切です。