子供の頃からずっと自分の歯並び、特に少し前に出た前歯が気になっていました。笑う時に無意識に口元を手で隠してしまう癖がつき、写真を撮られるのも好きではありませんでした。歯列矯正をすればこのコンプレックスから解放されるかもしれない、そう思いながらも、私には一つ大きな懸念事項がありました。それは金属アレルギーです。以前、安物のネックレスで首周りが真っ赤にかぶれてひどい目に遭って以来、金属製品にはとても敏感になっていました。口の中に長期間金属を入れるなんて考えただけで怖ろしく、歯列矯正は自分には縁のないものだと諦めかけていました。しかし、ある日インターネットで「金属アレルギー 歯列矯正」と検索してみると、私と同じように悩んでいる人がたくさんいること、そして金属アレルギーの人でも受けられる矯正治療があることを知りました。希望の光が見えた気がして、早速いくつかの矯正歯科のウェブサイトを調べ、金属アレルギー対応を謳っているクリニックにカウンセリングの予約を入れました。初めて訪れたクリニックの先生は、私の不安な気持ちを丁寧に聞いてくださり、金属を使わない矯正方法や、アレルギー反応が出にくい素材について詳しく説明してくれました。その中で、まずは皮膚科でパッチテストを受けて、どの金属にアレルギーがあるのかを正確に把握することが大切だとアドバイスを受けました。検査の結果、やはりニッケルに強いアレルギー反応があることが分かりましたが、同時にチタン製の装置やセラミック製のブラケット、そして透明なマウスピース型の矯正装置など、私にも適用可能な選択肢が複数あることも判明し、胸を撫で下ろしました。最終的に、見た目の目立ちにくさと、何よりも金属を一切使用しないという安心感から、マウスピース型矯正装置で治療を進めることに決めました。治療が始まって数ヶ月経ちますが、今のところアレルギー症状は全く出ておらず、少しずつ歯が動いているのを実感するたびに、勇気を出して一歩踏み出して本当に良かったと感じています。金属アレルギーだからと諦めずに、まずは専門医に相談することの大切さを身をもって知りました。