急な噛み合わせトラブル私の対処法

ある日の午後、仕事をしていたら、ふと口の中に違和感を覚えた。なんだか右側の奥歯だけがカチカチと高く当たるような感じで、他の歯がうまく噛み合わない。午前中は何も感じなかったのに、本当に「急に」という表現がぴったりだった。最初は気のせいかと思ったけれど、唾を飲み込むたびにその違和感がはっきりと感じられて、だんだん気になって仕方がなくなってきた。まず頭に浮かんだのは、「何か硬いものでも噛んだかな?」ということ。でも、特に思い当たる節はない。次に、「親知らずでも動き出したか?」と考えた。私の親知らずはまだ抜いていなくて、時々うずくことがある。でも、今回は痛みというよりは、純粋に「高さがおかしい」という感覚だった。その日は仕事も手につかず、夕食もなんだか美味しく感じられなかった。夜になって、試しに鏡を見ながらゆっくり口を閉じたり開けたりしてみた。すると、確かに右下の奥歯が他の歯よりも先に接触しているように見える。これはまずい、と思い、翌朝一番でかかりつけの歯科医院に電話をした。「急に噛み合わせがおかしくなった気がするんです」と伝えると、幸いその日のうちに診てもらえることになった。診察の結果、先生から告げられたのは、「おそらく、無意識の食いしばりが原因で、一時的にその歯の周りの歯根膜というクッションが炎症を起こして、少し浮き上がったような状態になっているのかもしれませんね」というものだった。確かに、最近仕事でストレスを感じることが多く、夜中に歯を食いしばっている自覚もあった。先生からは、「数日様子を見て、硬いものを避けて、なるべくその歯で噛まないようにしてください。それでも治まらなければ、歯ぎしり用のマウスピースを作りましょう」と言われた。そして、念のため、強く当たっている部分をほんの少しだけ調整してもらった。すると、あれほど気になっていた違和感が、かなり軽減されたのだ。ほんのわずかな調整でこんなに変わるものかと驚いた。今回の件で、無意識の癖が体に与える影響の大きさを改めて実感した。そして、何か異常を感じたらすぐに専門医に相談することの大切さも。