高校生活は、勉強に部活、友達との時間と、とにかく毎日が目まぐるしく過ぎていく。そんな中で歯列矯正を始めるというのは、正直、最初は少し不安だった。特に気になったのは、矯正装置をつけた見た目と、勉強への影響だ。私は高校2年生の春から、いわゆるワイヤー矯正を始めた。初めて装置をつけた日は、口の中に異物がある感覚に慣れず、滑舌も悪くなった気がして、授業中に先生に指されてもハキハキと答えられなかった。それに、ワイヤーを調整した後の数日間は、歯が浮くような鈍い痛みが続いて、集中力が途切れがちになった。特にテスト期間と調整日が重なった時は、「もう最悪!」と心の中で叫んだことも一度や二度ではない。でも、人間って不思議なもので、だんだんその状況にも慣れてくる。痛みも、「あ、またこの感じか」と冷静に受け止められるようになるし、滑舌もいつの間にか元に戻っていた。見た目に関しても、最初は友達に「歯、どうしたの?」と聞かれることもあったけど、数週間もすれば誰も気にしなくなる。むしろ、「私も矯正したいんだよね」と相談されることの方が増えたくらいだ。勉強との両立で工夫したのは、調整日は無理せず、痛みが落ち着いてから集中して勉強時間を確保するようにしたこと。それから、歯磨きの時間をしっかり取るために、少し早起きするようになった。これは結果的に、朝の勉強時間を確保することにも繋がって、一石二鳥だったかもしれない。矯正治療中は、確かに不便なこともあったし、痛みに悩まされた日もあった。でも、それ以上に、日に日に歯並びが綺麗になっていくのを見るのは嬉しかったし、それが勉強のモチベーションにも繋がった気がする。そして何より、矯正が終わって装置が外れた時の達成感と、自信を持って笑えるようになった喜びは、何物にも代えがたいものだった。高校時代の矯正は、私にとって、見た目だけでなく、内面も少し成長させてくれた貴重な経験だったと思う。
矯正と勉強の両立!高校生活と歯並び