目立たない歯列矯正の種類とそれぞれの特徴
歯列矯正治療中の見た目が気になるという方にとって、どのような目立たない矯正方法があるのか、そしてそれぞれの特徴を理解しておくことは非常に重要です。現在、主に選択されている目立たない矯正装置には、大きく分けて審美ブラケット、舌側矯正、そしてマウスピース型矯正装置の3つがあります。まず、審美ブラケットは、従来の金属製ブラケットの代わりに、歯の色に近いセラミック製や透明なプラスチック製のブラケットを使用するものです。これにより、装置が口元で悪目立ちするのを大幅に軽減できます。セラミックブラケットは強度が高く、変色しにくいというメリットがありますが、費用はメタルブラケットよりも高くなる傾向があります。プラスチックブラケットは比較的安価ですが、セラミックに比べて強度がやや劣り、着色しやすいという特徴があります。ワイヤーも、金属色のものだけでなく、表面を白いセラミックでコーティングしたホワイトワイヤーを併用することで、さらに目立ちにくさを追求できます。表側からの矯正なので、治療の適応範囲が広く、多くの症例に対応できるのが強みです。次に、舌側矯正は、ブラケットやワイヤーといった全ての矯正装置を歯の裏側(舌側)に装着する方法です。これにより、正面からは装置が全く見えず、他人に気づかれることなく歯列矯正を行うことができます。究極の目立たない矯正方法と言えるでしょう。しかし、デメリットも存在します。まず、装置が舌に触れるため、慣れるまでは発音障害や口内炎、食事のしにくさなどを感じることがあります。また、歯の裏側は形状が複雑で清掃が難しいため、虫歯や歯周病のリスク管理がより重要になります。治療技術も高度なものが要求されるため、対応できる歯科医師が限られ、費用も表側矯正やマウスピース矯正と比較して高額になるのが一般的です。そして、近年非常に人気が高まっているのが、マウスピース型矯正装置です。これは、患者さん一人ひとりの歯型に合わせて作製された透明なマウスピースを、1~2週間ごとに新しいものに交換していくことで、段階的に歯を動かしていく治療法です。薄く透明なため、装着していてもほとんど目立たず、日常生活への影響が少ないのが最大のメリットです。また、食事や歯磨きの際には自分で取り外せるため、衛生的で快適に過ごせます。金属を一切使用しないため、金属アレルギーの心配もありません。