子供の歯並びが気になり、歯列矯正を考え始めたものの、その費用が高額で頭を抱えてしまう保護者の方は少なくないでしょう。子供の将来のためとはいえ、家計への負担は大きな問題です。しかし、すぐに諦めてしまう前に、いくつかの選択肢を検討してみる価値はあります。まず、全ての不正咬合がすぐに本格的な矯正治療を必要とするわけではありません。特に乳歯列期や混合歯列期(乳歯と永久歯が混在する時期)の早期であれば、比較的簡易な装置を用いたり、口腔筋機能療法(MFT)という口周りの筋肉のトレーニングを行ったりするだけで、問題が改善したり、将来的な本格矯正の難易度を下げたりすることができる場合があります。これは「咬合誘導」や「予防矯正」とも呼ばれ、本格矯正に比べて費用を抑えられる可能性があります。次に、治療費の支払い方法について歯科医院に相談してみましょう。多くの歯科医院では、一括払いの他に、院内分割払いやデンタルローンといった分割払いの制度を設けています。デンタルローンは、信販会社が提供する医療費専用のローンで、比較的低金利で長期間の分割が可能です。ただし、審査が必要となります。また、子供の歯列矯正は、噛み合わせに問題があり、咀嚼機能の改善などが必要と歯科医師が診断した場合には、医療費控除の対象となることがあります。確定申告を行うことで、所得税の一部が還付される可能性がありますので、領収書は必ず保管しておきましょう。さらに、自治体によっては、特定の条件(例えば、先天性の疾患に伴う不正咬合など)を満たす場合に、矯正治療費の助成制度を設けているところもあります。お住まいの市区町村の役場や保健センターに問い合わせてみるのも一つの方法です。そして、複数の歯科医院でカウンセリングを受け、治療方針や費用について比較検討することも重要です。費用だけでなく、医師との相性や治療内容への納得感も大切にしながら、無理のない範囲で子供にとって最善の方法を見つけてあげましょう。
子供の歯列矯正費用がない時の選択肢