矯正1ヶ月目で見えた小さな変化と希望
歯列矯正を始めて、あっという間に1ヶ月が過ぎた。長い長いと思っていた矯正期間の、ほんのスタートラインに立ったばかり。正直、この1ヶ月で鏡を見て「わあ、歯並びが綺麗になった!」なんてことは全くない。でも、毎日欠かさず行っていることがある。それは、食後の歯磨きの後、洗面所の鏡の前で、自分の歯をじーっと観察すること。まるで、小さな植物の成長日記をつけているような気分だ。最初の1週間は、とにかく痛かった。歯全体が締め付けられるような、鈍い痛み。ご飯を食べるのも一苦労で、おかゆやヨーグルトばかり食べていた。「こんなのがずっと続くのかな…」と不安になったりもした。でも、その痛みが少しずつ和らいできた頃、ふと気づいたことがある。下の前歯の、ほんの少しだけ重なっていた部分。指で触ると、以前はもっと段差を感じたはずなのに、なんだかその段差がほんの少しだけ、本当にほんの少しだけ、浅くなったような気がするのだ。それから、上の歯と下の歯の間に、以前はなかったはずの、髪の毛1本分くらいの隙間ができたような気もする。「気のせいかもしれない」そう思う自分と、「いや、絶対に動いてる!」と信じたい自分が心の中でせめぎ合う。でも、歯科衛生士さんが言っていた。「最初の1ヶ月でも、歯はちゃんと動き始めていますよ。目に見えなくても、頑張っているんです」という言葉を思い出すと、なんだか勇気が湧いてくる。この小さな変化は、きっと大きな変化への第一歩。そう信じたい。まだ痛みもあるし、口内炎もできるし、歯磨きも大変だけど、この1ヶ月で感じた「ほんの少しの動き」が、これからの治療への大きな希望になっている。次の調整日が、少しだけ楽しみになってきた。