長年のコンプレックスだった歯並びを治すため、意を決して歯列矯正を始めたのは半年前のこと。選んだのは、目立ちにくいとされるマウスピース型矯正装置でした。治療は順調に進み、少しずつ歯が動いている実感もあって、鏡を見るのが楽しみになっていました。しかし、治療開始から数ヶ月が経った頃、夫から「最近、いびきがすごく大きくなったよ。時々、呼吸が止まっているみたいで心配になる」と指摘されたのです。私自身は全く自覚がなく、寝ている間のことなので半信半疑でしたが、夫があまりにも心配するので、試しにスマートフォンアプリで睡眠中の音を録音してみることに。翌朝、録音を聞いてみて愕然としました。確かに、自分でも驚くほどの大きないびきと、時折「ググッ…」と息が詰まるような音が記録されていたのです。歯列矯正を始める前は、疲れている時にたまにいびきをかくことはあっても、こんなにひどくはなかったはず。すぐに頭に浮かんだのは、「もしかして、矯正装置のせい?」ということでした。マウスピースは薄くて透明ですが、それでも口の中にある程度の厚みはあります。これが舌の位置を変えたり、喉の奥を狭くしたりしているのではないかと考えました。次の調整日に、矯正歯科の先生に恐る恐る相談してみると、先生は「歯列矯正が直接いびきを悪化させることは稀ですが、装置の違和感や、舌の位置が微妙に変わることで、一時的に影響が出る可能性はありますね」と説明してくれました。そして、マウスピースのフィット感を確認し、特に問題がないことを確認した上で、「もし続くようであれば、睡眠専門医に一度相談してみるのも良いかもしれません」とアドバイスを受けました。幸い、私の場合は、その後しばらくして体がマウスピースに完全に慣れたのか、あるいは意識して横向きに寝るようにしたのが良かったのか、夫からも「最近いびき、だいぶマシになったよ」と言われるようになりました。一時的なものだったのかもしれませんが、あの時は本当に焦りました。
歯列矯正でいびきが悪化?私の体験談