歯列矯正をしたいと決意した人が、次に直面するのが「どの装置を選ぶか」という問題です。ワイヤー矯正、マウスピース矯正、表側、裏側…。選択肢が多すぎて、何が自分に合っているのか分からなくなってしまうかもしれません。それぞれの装置には、得意なことと苦手なことがあります。その特性を理解し、ご自身のライフスタイルや何を最も優先したいかを考えることが、最適なパートナー(装置)を見つけるための鍵となります。まず、最も歴史があり、信頼性の高い選択肢が「表側ワイヤー矯正」です。歯の表面にブラケットという装置を貼り付け、ワイヤーを通して歯を動かします。最大のメリットは、幅広い症例に対応できること。抜歯が必要な複雑なケースでも、確実な治療結果が期待できます。また、他の装置に比べて費用が比較的安価なのも魅力です。一方、最大のデメリットは、やはり「見た目」です。口を開けると装置がはっきりと見えてしまうため、接客業の方や見た目が気になる方には抵抗があるかもしれません。その見た目の問題を解決するために生まれたのが「裏側(舌側)矯正」です。装置を全て歯の裏側に装着するため、外からは矯正していることがほとんど分かりません。究極の審美性を求める方には最適な方法ですが、デメリットもあります。費用が最も高額になること、そして装置が舌に当たるため、慣れるまでは滑舌に影響が出たり、口内炎ができやすかったりします。そして、近年急速に人気が高まっているのが「マウスピース矯正」です。透明なマウスピースを定期的に交換していくことで歯を動かします。最大のメリットは、目立たないことと、自分で取り外しができること。食事や歯磨きは普段通りに行え、快適に過ごせます。しかし、良いことばかりではありません。装着時間を自分で管理する必要があり、サボってしまうと計画通りに歯が動きません。また、対応できる症例に限りがあり、非常に複雑な歯の動きは苦手とされています。どの装置を選ぶべきか。それはあなたの「優先順位」次第です。「確実性と費用」を重視するなら表側、「見た目」を最優先するなら裏側、「快適さと手軽さ」を求めるならマウスピース。それぞれのメリット・デメリットを天秤にかけ、専門医と十分に相談して、あなたの矯正ライフを共にする最高のパートナーを選びましょう。
ワイヤー?マウスピース?あなたにぴったりの矯正装置の見つけ方